大垣青年会議所 2018年度スローガン

 

公益社団法人大垣青年会議所 2018 年度基本方針

 

 

公益社団法人大垣青年会議所 第67代理事長 久保田智也

第67期理事長 久保田 智也

 

【挑 戦】

挑戦。辞書を引けば、「1戦いや試合をいどむこと。2困難な物事や新しい記録などに立ち向かうこと。」とある。戦のないこの時代に挑戦とは何を意味するのか。人がこれまで作ってきた文明、歴史は戦争、変革、革新の連続ではないのだろうか。この10年、20年を見ればわかる。私たちの生活も社会の在り様もどんどん電子化され、自動化され、さらに情報が常に錯綜する時代に大きく変化している。そして、どんどん人が働かなくてもよい時代に進んでいる。それではこれからの時代における挑戦とは何を意味するのか。自らに問いかけて欲しい。「自分は挑戦しているのか」と。
現代のように成熟した社会を活きる我々青年は、挑戦せずとも生活できるという一見すれば有り難い環境下で人生を送っている。しかしそれは、まやかしであり青年世代が挑戦しなかった時代は過去に無く、私たちが挑戦しなければ未来は無い。ではなぜ挑戦しないのか、挑戦しようしないのか。そして自分たちが住まうこの日本の未来を真剣に考えたことがあるだろうか。そもそも自らの成長や変化を求めているのだろうか。
挑戦とは自らが住まう国の輝く未来を想い描き、国を創っていくのは自分たちなのだと志し、常に高みを目指して自らの成長に挑むことである。そんな精神、「CHALLENGING SPIRIT」に溢れた青年こそが、JAYCEEの姿であり人々に幸福を与え、国の未来を切り拓いていけるのです。

 

【輝く未来への挑戦】~志高きJAYCEE~

 1952年2月、35名の同志によって大垣青年会議所は設立されました。戦後間もないこの時代、地方経済発展による日本経済の再建という高い志に基づき、使命感と情熱をもって「明るい豊かな社会の実現」を求め、66年の歳月が流れました。そして多くの先達が青年会議所の運動に誇りを持ち、自らに厳しく、自らを奮い立たせ、仲間を鼓舞し、挑戦し続けてこられた歴史の先に現在の我々が存在します。
 今、大垣青年会議所は社会情勢と足並みを揃えるかのように環境が大きく変化し、会員数の急激な減少、事業運営は厳しさを増す一方といった問題に直面しています。そんな時代の中、地域に変革をもたらすと掲げる我々の団体が変化を恐れていては何も変わる筈がありません。今こそ、原点回帰。初心に立ち戻る時なのです。
 青年会議所は、いつの時代も自らが成長するため、修練を積む場所であります。自らを厳しい場と環境におき、苦しく悩む日々があっても決して逃げ出すこと無く、どこまでも己を律し、困難に立ち向かう場所なのです。そして成長を追い求め、熱意溢れる同志と共に、人々の意識変革に立ち向かうことで、仲間との間に一生涯の友情が生まれる。これこそが原点なのです。
 私は青年会議所に入会し、企業や地域のリーダーという立場を頂いている我々には、己よりも他を優先し、人々のために尽くすという社会的責任があることを知りました。そして卒業を迎える最後の年、私は最高の成長と変化のチャンスを頂きました。自らが与えて頂く立場とこれまで育てて頂いた大垣青年会議所へ感謝の気持ちを込めて、西美濃の発展から日本の輝く未来に、そして会員全員が成長できる一年に私は挑戦します。どうか自らの成長が必ず未来の幸福へ繋がると信じて欲しい。社会的責任を全うすることのできるリーダーへと成長し、企業も地域も家族も、周りの人全てを幸せにするのだと志して欲しい。
 時代の変換期にある今だからこそ、原点に立ち戻り、志高きJAYCEEとして輝く未来の創造に挑戦します。

 

【正しい価値観への挑戦】~正義感と道徳心を持った団体に~

 日本は敗戦後、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の監督の下で、日本国憲法を施行しました。敗戦国とはいえ、その後約70年間、他国の監督下により制定された憲法の元、歩んできた日本は、いつしか思考が鈍り、自ら考える習慣を怠るという国民性を生んでしまいました。日本が貧しい時代は、国民全体が正義感に溢れ、目先の利益に捉われたり、物事に対する労力を惜しむといった利己的な考え方は存在せず、情熱を持って国の未来を切り拓いてきました。しかし恵まれ過ぎた現代を生きる我々は、国の未来を考えることはおろか、自らの人生においても無気力で投げやりな感覚に陥っている現状があります。そしてその思考停止の国民性は教育にも影響を及ぼし、青少年の犯罪やニートといった社会問題をも生み出すと同時に、何が正義なのか、何をもって正義と言うのかすら分からない世の中、つまりは道徳的な正しさを失いつつあるのです。
 無気力で正義感の欠落した国は、最大の活力である人々の意識を衰えさせ、やがて国は衰退の一途をたどるのです。またそのような意識の希薄化により、国や地域で起きている問題をどこか他人事として捉え、無関心になっているのです。しかし、国や地域で起きている問題は決して我々の生活と無関係な筈は無く、密接に関連していることと認識し、一人ひとりが危機意識を持たなければなりません。またこれからの社会を考えた時に主人公となり立ち上がるべきは、紛れもない我々青年世代であり、当事者意識溢れる地域へと変革をもたらすことが今、青年会議所に求められている使命なのです。
 日本人は古来より「自分以外の人のために」という利他の精神を大切な価値観として守り続けてきました。だからこそ、この精神が日本人の誇りであると感じられる国であって欲しいのです。そのために我々は、目先のことに捉われるのでは無く、互いを認め、助け合う絆や自らと未来を生きる子どもたちのために自我を抑え奉公する利他の心を何事にも代えがたい大切なものであると感じ追い求めていかなければなりません。そんな正しい価値観に基づく正義感と道徳心を持ち、明るい豊かな社会の実現を掲げ、地域を語る団体として相応しい姿に挑戦し、人々に喜びを与えることのできる運動を発信します。

 

【新たな同志拡大への挑戦】~青年会議所活動の根幹~

 会員拡大を考える上では、「修練」、「奉仕」、「友情」という三信条を今一度見つめ直す必要があります。自らの成長を求め修練を積み、地域や人々のためにと奉仕の精神を抱き、様々な運動を通して友情が生まれる。これが三信条であります。この友情という言葉。これは世界との友情であり、我々の掲げる運動の先には世界平和があることを常に忘れてはなりません。しかしながら現在も世界各地には戦争が頻発しており、だからこそこれからも我々は常に多くの新たな同志を募り、共に運動を展開し、世界の平和を追い求めていかなければならないのです。しかし我々は今、会員拡大を行う上で、このJC活動の根幹を語ることができているのでしょうか。「リーダーとしての資質を身に付けることができる」、「友人ができる」、「まちづくりができる」といったことだけを魅力として伝えてはいないでしょうか。もちろんこれらは、JC活動を行う上での得られる貴重な財産であることは間違いありません。しかし、このような個人が得られる魅力だけしか語ることのできない自らの至らなさを認め、今一度、JC活動を行う上での根幹を学び、そして語ることができるようになることこそが、会員拡大成功への唯一の道であると考えます。
 近年、JCしか無い時代からJCもある時代へ変化したと言われます。しかし、ひとをつくり、まちをつくり、地域経済の発展から国家の発展、そして世界の平和を願う。そんな団体が他にあるでしょうか。やはり現代にもJCしか無いのです。JCこそが世界平和実現という崇高な目標を持った世界中の仲間との出会いとチャンスに溢れた唯一無二の団体であることに誇りを持ち、胸を張ってJC活動の根幹を語ることができる。そんなJCプライドを持った会員の姿により、新たな志ある青年たちから共感を呼ぶことで、共に活動することのできる同志拡大に挑戦します。

 

【地域と人々の意識変革に挑戦】~各事業の連携と魅力の発信~

 大垣青年会議所は、近年多くの対外向け事業を開催しております。公益社団法人格取得後は、より一層その流れが活発化しています。事業を行う度に地域住民の方々からは、喜びや感謝のお言葉を数多く頂戴し、我々大垣青年会議所の存在意義をある一定の枠では示すことができているといっても過言ではありません。しかしながら、その事業の一つひとつが本当にこの先の西美濃の未来に繋がっているのか、そしてある一定の限定された範囲や枠だけでは無く、数多くの西美濃地域住民の方に訴えられる事業運営を行えているのかといった点については、否定的にならざるを得ないのも事実であります。一つひとつの事業が連携に乏しいが故に、効果が限定的となり、各事業の持つ力が存分に発揮されていない点やSNSによる情報発信能力がごく当たり前の技術となっている情報化著しい現代において、今一つ広報や情報発信といった面において、力不足な点も否めません。
 今こそ、各事業が連携する複合化した事業展開により点と点を線に、線と線が面となることで、大垣青年会議所の掲げる運動の魅力を更に向上させると共に、情報発信における創意工夫により幅広く、地域住民の方々に広報や情報の発信を行うことで、より一層多くの人々の意識変革と幅広い地域の変化に挑戦します。

 

【西美濃から日本の輝く未来に挑戦】~地域愛の醸成~

 いつの頃からか自分の生まれ育った地域、所謂故郷を愛するという気持ちに気付きました。誰かに無理やり押し付けられた訳でも無く、それが正しいと教わったわけでもありません。それにも関わらず自然と自分の生まれ育った故郷に誇りを持ち、何かと物事を語る時の主語は故郷になっていました。
 現在、国は人口減少と地域経済縮小を克服するために、まち・ひと・しごとの創生と好循環の確立を目指しています。我々が活動範囲とする西美濃地域でも国や県が掲げる方向性を踏まえ、各行政が総合戦略の策定を行いました。地方は国の縮図であり、日本という大きな枠の中で起きていることは、地方でも規模を小さくしながら同じことが起きています。だからこそ西美濃という小さな輪の活力を生み出すことができたのならば、それはやがて大きな波紋となって、国に活力をもたらすことができるのです。
 決して利便性に優れているわけで無く、各々の価値観を満たすには乏しい環境と言わざるを得ない生まれ育った地域を愛する心こそが今、地方の活力を呼び起こすためにもっとも大切なものなのです。自分が生まれ育った故郷の名物について質問を受けた時、誰かが自分の故郷を訪れたという話を聞いた時、何となく嬉しい気持ちになったということは誰もが経験したことがあるはずです。景色や空気、そこに住む人々を何となく自然と好きになるのが、自分の生まれ育った故郷であり、生まれた頃から日々の生活の中で見たり、聞いたり、触れたり、感じたり、そうした経験によって地域を愛する心「地域愛」は醸成されるものです。
 人には、大自然や風光明媚な景色を見て安らぐ心があります。そして田舎と呼ばれる地域には、生まれ育った人が気付いていない唯一無二の光り輝く魅力というものが必ずあります。人それぞれがどこに住み、どこで生活し、どんな人生を送るかは各々が選択することであります。しかし、利便性や華やかさに惹かれるだけの選択は避けて欲しいのです。だからこそ我々が、未来を創る若い世代や子供たちに西美濃地域の持つ光り輝く魅力に出会うことのできる事業を展開し、持って生まれ、故郷で豊かに育まれた自らの心に問いかけ、そこにしかない魅力と向き合い、自分の中にある地域愛を呼び起こします。地域を愛する心によって、人々は自らの力で地域を変えたいと願うようになり西美濃地域には活力が溢れ、やがてそれは日本という国の未来をも変える大きな力となるのです。今こそ大垣青年会議所が日本の輝く未来に向かって、活力溢れる西美濃に挑戦します。

 

【真の西美濃連携創出に挑戦】~事業の果たす使命~

 連携という言葉が多く囁かれる昨今、地域連携や産学官連携など、多方面で使われる言葉であり、動きであります。経済成長著しい時代には、各々が持つ力や能力が取り沙汰され、連携という言葉はクローズアップされてこなかったのではないでしょうか。しかし、一人の人や一つの団体の力には限界があり、現代社会においては連携こそが活路を見出す方向性であり、意外性に富んだ大きな力を生み出す可能性を秘めています。
 我々の活動エリアである西美濃地域において、各行政が連携する一つの形として2014年度から「ツール・ド・西美濃」という大いなる可能性を秘めたサイクリングイベントを主体とした事業が展開されております。過去4年間に渡り、数多くの自転車を愛する人々に喜びをもたらすと共に、この地域の魅力を様々な形で発信し続けて参りました。年々、その認知度は向上し、大垣青年会議所を代表する事業であると同時にこの地域で各行政が連携する数少ない事業の一つへと成長していることは我々が築いてきた大きな成果です。ある意味、連携という言葉だけで捉えるならば地域を越えて事業展開を継続できている現状は、ゴールを迎えたようにも思えます。しかしながら運営主体や事業の内容としては、構成団体個々の力に頼っており、事業内容も飽和状態にあるのが現状であるため、本来、連携が持つ力やもたらすべき現象とは逆行している側面も否めません。そして、それは何も「ツール・ド・西美濃」に限ったことではありません。連携という名の下、これまで多くの事業を行って参りましたが、まちづくりイベントの多さや全てのコミュニティ、団体における人の減少などにより、本来連携がより一層、必要とされる状況を迎えている中で、表向き体裁の良い事業構成を無理やり連携という言葉に囚われて運営しているのが現実です。今こそ、行政、市民団体、各青年団体や地域住民など、様々な団体や人々が少しずつでも力を出し合い、手を携え、チーム西美濃として事業を展開することができたのならば、それこそが真の西美濃連携であり、予想もつかない大きな力を生み出すこととなるでしょう。
 真の西美濃連携を本気で考えるのであれば、各種団体の運営が苦しい現状から目を背け無理な事業展開を維持しようとするのでは無く、今こそ団体の統合や事業の運営方法などを議論し、見直すべき時にきているのではないでしょうか。また我々、大垣青年会議所は事業を行うことが目的では無く、人々の意識を変革する団体で有り続けなければなりません。現状に満足するのでは無く、イベントの開催により何となく事業運営を全うした気になる自己満足から脱却し、新たな事業の展開や更なる事業の発展を追い求めることが我々の使命なのです。そして事業を行った先にある連携や人々の意識変革こそが我々の到達すべき目的であると理解し、社会から賛同を得られる事業を行うことができる団体となって真の西美濃連携創出に挑戦します。

 

【輝く未来に向かって】~大切なものを守るために~

 誰もが何かを守り、誰かのために活動を行っています。家族、会社、故郷、それは人それぞれ様々であります。何かのために、誰かのためにという対象は、各々異なるとしてもその対象と繋がっているのは自分しか居ません。結局、主役は自分なのです。だからこそ、何かという事象や誰かのせいには出来ないし、決断するのは常に自分なのです。しかし自分が力を発揮できるのは支えてくれる人や大切な存在があるからです。人は何かのためにと思うからこそ、過去に経験した事の無い壁を越え、成長し、力を発揮することができるのです。
 我々は、JAYCEEであると同時に家庭人であり、青年経済人であります。どちらかが前でも後ろでも無く、同時に多くの立場を担っているのです。しかしJCにのみ卒業という期限が存在し、JAYCEEとして活動できる期間には限りがあります。元々、生活には無かったJCが入会を機にして、急激に存在感を増してきます。長年、慣れ親しんだ生活に新たなものが加われば負担に感じることもあり、苦しいと感じることもある筈です。だからこそ、当たり前だったことを真剣に考えたり、物事の進め方を工夫したり、人の優しさに敏感になったりと、頭と心を全力で活用するようになるのです。そしてそこを乗り越える度に大きな達成感と知らず知らずの内に培われた力と成長を得ることができるのです。成長を求め、自らを律するということは容易いことではありません。しかし、それが大切なものを守るためと思ったならば自らの気持ちはきっと高揚する筈です。限られたJC生活。限られた40歳までという時間。いつかでは無く、今しか無いのです。誰かでは無く、自分がやるしか無いのです。

「チャレンジして失敗を恐れるよりも、何もしないことを恐れろ。」
これは、本田技研工業の創業者、本田宗一郎氏の言葉です。
今こそ、挑戦を恐れてきた過去の自分と決別し、逃げ続けてきた挑戦という二文字と向き合って、人々の意識変革に、子供たちの笑顔溢れる事業に、そして自らの成長に挑戦しようではありませんか。子供たちが生きる明るい未来を想い描き、JC活動に誇りと溢れんばかりの熱意を持って、仲間と手を取り合い、共に前へ進みましょう。

失敗は取り返すことができる。しかし何もしない時間は二度と戻って来ない。
大切なものを守るため、『CHALLENGING SPIRIT』
挑戦という精神の先には、輝く未来がある。

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