理事長所信

2022年度(第71期)基本方針

  • 1.未来に繋げる70周年事業の推進
  • 2.健全な問題意識の醸成と主体性の確立
  • 3.社会課題の解決によるまちづくりと持続可能な西美濃連携の推進
  • 4.ネットワークを活かした会員資質の向上
  • 5.持続可能な組織を目指す会員拡大
  • 公益社団法人大垣青年会議所は本年度2月に創立70周年を迎えます。歴史を積み重ねて今日まで繋いで頂いた先輩諸兄や協力して頂いた西美濃地域の行政をはじめとする各諸団体、支えて頂いた地域の方々へ感謝し、恩返しすると共に、持続可能な西美濃を目指して志高く、信念を貫いていきましょう。

    明るい豊かな社会とは

    我々JAYCEEは「明るい豊かな社会」を築くために運動を行っています。その「明るい豊かな社会」とは第二次世界大戦後の日本においては連合国による占領支配から脱し、国家主権を回復し、人権が尊重され、経済的に発展した社会を意味していたのではないでしょうか。

    一方で現代においては形式的には民主主義が確立され、道路やダム、インターネットなどのインフラは整備され、GDPが世界3位であることから物質的・経済的な豊かさにおいて一見恵まれている環境と言えますが、目に見えない質的価値や精神的な豊かさが重要視されるようになり、過去とは違い「明るい豊かな社会」のステージは変わってきています。

    2015年に国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)において、社会と経済と環境の3要素を調和させた誰一人取り残さない社会の実現を国家単位ではなく世界規模で目指すことになりました。現代では個人を尊重する社会的包摂性と経済成長だけでなく、環境保護もより重視され、自国のみならず国家間における格差の是正も考慮した複合的な社会課題の解決が求められています。

    そのような中、日本青年会議所においても2019年の総会においてSDGs推進宣言が採択され、大垣青年会議所においてもSDGsのゴールと関連付けて様々な事業を行ってきました。

    今後も我々が地域を力強く牽引していくためにも、時代と共に変わる「明るい豊かな社会」の具体像をイメージしながら持続可能な西美濃を目指して運動を展開していかなければなりません。

    独立自尊の人が協働する持続可能な西美濃を目指して

    独立自尊

    この言葉は幕末から明治時代に生きた福澤諭吉が唱えた言葉であり、「自他の尊厳を守り、何事も自分の判断・責任のもとに行うこと」を意味しています。黒船が横浜へ来航したのをきっかけとし、明治維新によって近代化を目指す日本が欧米列強からの独立を守るためには国民一人ひとりが独立しなければならないこと、そして独立するためには学問に励まなければならないと福澤は訴えました。

    ここでいう学問とは難しい古文を読むことや詩を作るような学問ではなく、その当時であれば読み書きそろばん、はかりの扱いといった実生活や社会に役立つ実学でした。実学を学び、国民一人ひとりが国家に依存しない判断力と応用力を備えた独立自尊の人となることで国力が上がり、国家として独立できると福澤は考えていたのです。

    国難どころか地球難となっているコロナ禍において、2市9町で構成される西美濃地域で考えた場合、住民一人ひとりが独立自尊の人となり、それぞれの地域における柱とならなければいけません。しかし、多くの柱が立ったとしても柱だけでは横からの力で簡単に倒れてしまいます。建築に用いられるぬきという部材は垂直に立つ柱と柱の間を繋ぐ水平材です。柱だけでは水平力に弱くて倒れてしまいますが、ぬきがあることで水平力に対する抵抗力を備えた堅固な建物とすることができるのです。

    個では解決できない複合的な社会課題の解決が求められ、パートナーシップによる協働が重要な現代において、このぬきの役割を担うのが大垣青年会議所なのです。会員一人ひとりが独立自尊の人となり、地域の柱になると共に、地域を繋ぐぬきとなることによって堅固で持続可能な西美濃地域が実現し、ひいては国家の独立が実現できるのです。

    独立自尊の人が協働する持続可能な西美濃を目指し、地域を支える強い柱とぬきとなるために、大垣青年会議所の設立趣意書にあるように、我々青年は自らの知性と徳性の練磨に努め続けなければなりません。

    未来に繋げる70周年事業の推進

    1952年2月に設立された大垣青年会議所は本年度で70周年を迎えます。年号は昭和から平成、令和と変わり、その間オイルショック、バブル経済崩壊、阪神・淡路大震災、リーマンショック、東日本大震災と様々な苦難に見舞われながらも、手を携えて乗り越えてきた先輩諸兄の姿があるからこそ現在の大垣青年会議所が存在するのです。また、青年会議所の運動は地域の存在が無ければ行うことができません。西美濃地域があるからこそ我々が運動できることを忘れてはならないのです。70年もの間、先輩諸兄と地域によって続いてきた大垣青年会議所を次世代へ受け継いでいくために、我々は現在も収束していない新型コロナウイルスや地域の課題と向き合い、手を携えて乗り越えていかなければなりません。

    公益社団法人の認定を受けた2014年に定められた「地域みらい創造基金」の運用計画により、本年度は70周年記念式典、70周年記念誌、70周年記念事業に多くの予算が計画されています。これは先輩諸兄に残して頂いた貴重な財産であり、大垣青年会議所にとっても会員一人ひとりにとっても大きな成長をもたらして頂ける財産です。

    そして70周年という節目の年、更には2020年から続く新しい生活様式が求められている中で、今後西美濃地域において我々がどのような運動を展開していくべきなのか、地域住民からの声を集めて検証し、実現していく契機としなければなりません。

    大きな成長の機会を頂けることに感謝し、西美濃地域と共に歩んだ大垣青年会議所の70年を振り返り、次なる10年の西美濃地域と大垣青年会議所を見据えながら地域へ恩返しをしていきます。

    健全な問題意識の醸成と主体性の確立

    日本国民の三大義務は教育の義務、勤労の義務、納税の義務であり、権利としては教育を受ける権利やプライバシー権、参政権などが挙げられます。これらの義務と権利を正しく認識し、義務を履行し権利を行使できている住民はどれだけいるでしょうか。

    例えば昨年1月の保守分裂選挙として注目された岐阜県知事選挙では、西美濃地域2市9町の投票率は前回選挙に比べて大幅に増えたものの、49.4%と半数に満たない結果となりました。地域や行政に対して無関心な住民が増えれば増えるほど地域の独立は難しく、更なる衰退を招くのではないでしょうか。また、少子高齢化に伴う社会保障費の増大、生産年齢人口の減少や新型コロナウイルスによる経済活動の停滞に伴う税収減によって財政状況は悪化傾向にあります。「自助、共助、公助」という言葉がありますが、まずは住民一人ひとりが努力し、足りない部分は互いに支え合い、助け合っていくことがより必要になってきています。

    そして、そのような行動を促していくためには主観的ではなく、客観的根拠に基づいた分析による健全な問題意識の醸成と主体性の確立が必要であると考えます。人口や世帯数、経済規模や税収、社会保障費の推移といった様々な過去の統計情報を収集・分析することで、現在の西美濃地域の置かれている状況を客観的に把握することができ、未来の予測も立てることができるのです。その予測した未来と住民の望む未来とのギャップをより正確に把握し、今後住民に求められる自助と共助における具体的行動を示すことで住民による健全な問題意識が醸成され、主体性の確立へと繋がっていくのです。

    意識変革団体として70周年を迎える節目の年だからこそ改めて地域を見つめ直し、西美濃地域に対する健全な問題意識に基づいた自助、共助の在り方について地域住民と共に学び、正しく義務を履行し権利を行使できる、独立自尊の人を増やすことを目指していきます。

    社会課題の解決によるまちづくりと持続可能な西美濃連携の推進

    大垣青年会議所は「ひとづくり」と「まちづくり」のために運動、活動を行っていますが、近年は「まちづくり」の事業が少なくなっています。また、各事業とSDGsのゴールとの関連づけにおいても後付けで行っているのが実情ではないでしょうか。

    本年度は、社会課題の解決によるまちづくりの実践のために、SDGsというフィルターを通してフードロスや防災などの観点から西美濃地域の社会課題を考え、解決に向けた運動を興していきます。

    また、2019年に大垣青年会議所は2010年代運動指針「『地球的価値』の田園都市構想~西美濃の心が一つになる瞬間ときへ~」を恒久的な指針として、長期ビジョンである「地域みらいビジョン」に定め、西濃県事務所へのヒアリングや日本青年会議所で採択されたSDGs推進宣言を踏まえ、2020年から2022年の3年間における運動の方向性を示す短期ビジョンである「最重点ビジョン」を策定しました。新型コロナウイルスの影響によって事業の中止や開催方法の変更が求められ、思い描いた通りの運動が難しかった面はあるものの、本年度は短期ビジョン計画期間の最終年度となります。

    2020年からの運動を検証し、2023年以降の大垣青年会議所の運動をどのように展開していくか、次世代を担う若い会員の声を重視しながら短期ビジョンの策定を進めていきます。

    そして、2014年度より始まった広域連携事業である「ツール・ド・西美濃」は、毎年少しずつ内容を変えながら開催し、本年度は9回目を迎えます。2021年度は新型コロナウイルスへの対応として初の2ヶ月に亘る期間型での開催となりました。これまでの1日で開催するような華やかさはありませんが、より各市町の魅力を発信できる多くのスポットを設けられ、参加者も自分のライフスタイルに合わせて参加でき、運営コストやマンパワーの面でも大幅な簡素化を実現することができました。

    「ツール・ド・西美濃」はあくまでも手法であり、行うことが目的ではありません。また、運営する行政や大垣青年会議所の資源には限りがあります。

    これまで事業を継続して頂いた関係者の皆様への感謝を胸に、「行政区の枠を越えた広域連携」と「住民が主役のまちづくり」を実現していける事業は何かを関係者と協議しながら持続可能な西美濃連携を推進していきます。

    ネットワークを活かした会員資質の向上

    2020年以降、新型コロナウイルスへの対応のために地域住民と直に接する事業や、大垣市青年のつどい協議会を通じた地元青年団体との合同事業、姉妹締結している社團法人花蓮國際青年商會との国際的な交流が減り、経験の少ない会員が増えてきているのが現状です。スポーツジムでのハードなトレーニングによって筋肉をつけるように、青年会議所でも己の能力の限界を感じるほどに負荷のかかる運動や活動でないと青年経済人としての大きな成長は見込めません。

    家庭や仕事やJCで何かを決断する時において、それまで培った経験が必ず活かされます。青年の学び舎と言われるJCでどれだけ経験を積めるのか。JCという道具に振り回されずにどのように使いこなすのか。頭で覚えるのではなく、いかに体で覚えるのか。会員一人ひとりが家庭や仕事やJCにおいてリーダーシップを発揮していくためにも積極的に修練を積む姿勢がより必要になっています。

    一方で日本青年会議所によってWebを活用した事業や動画配信などが行われるようになり、地理的・時間的・経済的な制約を受けることなく経験が積める成長の機会が増えています。また、青年会議所における大きな成長の機会として出向があります。出向は西美濃地域以外の個性溢れる同志と出会い、磨き合うだけでなく、大垣青年会議所の魅力や改善点を考える良い機会であり、出向で得た友情や経験を活かしていくことが大垣青年会議所の更なる発展に繋がります。

    本年度は、大垣市青年のつどい協議会への参画や社團法人花蓮國際青年商會との交流を引き続き模索しつつ、会員が抱える資質的な課題を克服するためにも全国的なネットワークを活かし、JCI日本公認プログラムなどの事業への参加や出向の機会を増やし、会員資質の向上を目指します。

    持続可能な組織を目指す会員拡大

    いつの時代も社会により良い変化を起こすのは青年です。郷土愛を持って情熱的に運動できる青年が多ければ多いほど、地域の未来は明るく希望に満ち溢れたものになるはずです。しかし、大垣青年会議所の会員数は10年前と比べて約半分になり、この傾向が続くと事業の減少や縮小によって地域に与える影響も小さくなり、地域の活気も失われてしまうのではないでしょうか。

    一方で幸せの指標が物質的な豊かさから精神的な豊かさへとシフトしており、目に見えない経験や人との繋がりといったものが重視され、修練による自己成長、社会課題の解決による地域発展への奉仕といった青年会議所の魅力に共感して入会する会員が増えてきているように感じます。

    JCIMissionにあるように青年会議所の使命は「より良い変化をもたらす力を青年に与えるために発展・成長の機会を提供すること」です。世界平和という崇高な目的を掲げ、修練・奉仕・友情の三信条を貫き、青年経済人として成長できる青年会議所の魅力を精神的な豊かさを求める青年に対して伝え、共感を呼ぶことで青年会議所運動の拡大を目指していきます。

    また、人は人によって磨かれ、それが組織の活性化へと繋がります。持続可能な組織を目指すためにも人数だけではなく性別や職業などに偏りの無い多様な人財が必要です。異なる価値観によって議論を交わし、事業構築をすることでより運動の質が向上していくのです。そして多様な人財が集って切磋琢磨できる魅力的な組織になることができれば更なる会員拡大にも繋がります。

    70年前に35名の同志によって設立し、運動を拡大されてきた先達のように英知と勇気と情熱を持って持続可能な組織を目指し、会員一丸となって会員拡大に取り組んでいきます。

    子供たちの明るい未来のために

    明るい豊かな社会を目指し、先輩諸兄がそれぞれの時代に即した青年会議所運動を展開し、地域に奉仕し続けてきたからこそ我々は青年会議所運動に取り組めます。そして、先輩諸兄がされてきたように先行きが見通せない現代の困難を乗り越え、次世代へ繋いでいくことが今を生きる我々の使命です。

    1年の中で西美濃地域へより良い変化を起こせることは僅かかもしれません。しかし、会員一人ひとりが高い目標に向かい、背伸びをし、失敗を恐れずに挑戦しなければ起こせる変化も起こせません。

    人は必ず老い、この世を去ります。しかし、西美濃地域の発展を願う先輩諸兄や我々の想いはこの大垣青年会議所を通じ、未来へと繋いでいきたい。

    持続可能な西美濃を目指すために、40歳までという限られた時間の中で何ができるかを自問自答し、己を貫き、地域を貫き、時代を貫いていきましょう。

    子供たちが我々に代わって大垣青年会議所を担い、更に次世代へ繋いでくれる未来を夢見て。

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