理事長所信

2021年度(第70期)基本方針

  • 1.徹底した修練による会員の育成
  • 2.視点を養い行う意識改革
  • 3.歴史と伝統に感謝し未来に伝承する
  • 4.同志の活動への共感による自己成長
  • 5.魅力を伝え熱意を持って行う会員拡大
  • はじめに

    人は何のために生まれてくるのか。あなたは考えたことがあるだろうか?
    我々はこの世に生を受けたときから、人生という終わりなき旅に出ているのだ。
    人生の目的は、人により価値観は異なっている。しかしいつか命が終わることを考えれば、やはり次世代に繋ぐことが目的となる。人は次世代に繋ぐために修練を積み、成長し、人生の使命を全うしなければならない。文明が進化し、便利になっても、豊かになってもその使命が変わることはない。終わりのない人生という旅を実りあるものにするために、今、我々は岐路に立っているのである。

    1910年ヘンリー・ギッセンバイヤーは、青年会議所の母体となる団体として初歩的なクラブを設立した。当時の情勢を考えると世界中で戦争が頻繁に起こり、明るい未来を創造することができない時代だったからこそ、自分たちが世界を変えようと立ち上がったのだと考える。苦しい時代だからこそ「人間らしく、自由で自立した創造性豊かな社会」を自分たちの意志で実現するといった熱意が世界中に伝播した。第二次大戦敗戦後の1949年に我が国日本にも東京青年会議所を皮切りに全国各地でも青年会議所が設立され、1952年2月、大垣青年会議所が35名の青年の熱意を結集し、地方経済の発展、日本国再建のため設立された。

    69年の歴史の中で、GHQ支配下からの独立、高度経済成長、東京オリンピック開催、オイルショック、バブル経済の崩壊、阪神・淡路大震災、IT革命、リーマンショック、東日本大震災など様々な出来事があり、全力で取り組み駆け抜けた先輩諸兄の歴史と伝統があるからこそ、今の大垣青年会議所があることを忘れてはいけない。

    2020年の2月より新型コロナウイルスの影響により連日のように感染者数が各メディアで発表され、人と人との接触を減らすため各種イベントや事業の自粛、飲食店の休業要請、都道府県をまたぐ移動の制限など緊急事態宣言が発令され、世界経済にも大きな影響を及ぼし、今までの生活が一変した。しかし次世代型行政サービスの強力な推進やデジタルトランスフォーメーションの推進など、人と人との接触や移動を行わず生活ができるようなデジタル化社会に急激な変化をし、新しい働き方や暮らし方など「新たな日常」にむけて世界が動き出し、世界は「元に戻る」のではなく、「新型コロナ以前」の常識が「ニュー・ノーマル」に変わった。このような時代にこそ、社会システムの在り方や真の目的、物事の優先順位、何が最適であるか、といった根源的な問いに一人ひとりが向き合う必要があるのではないか。新型コロナウイルスの感染拡大やメディアの放送に恐れ足を止めるのではなく、自分ができること、大垣青年会議所だからこそできることを考え、社会のリーダーとしてこの困難を乗り越えなくてはいけない。先輩諸兄が時代の困難に立ち向かい我々に繋いでくれた歴史に感謝をし、今こそ「JAYCEE」として明るい豊かな社会を創造し、能動的に行動しなければならない。

    Junior Chamber=青年会議所とは

    青年会議所とはどんな団体なのか?どのような目的のために活動を行っているのか?
    あなたは考えたことがあるだろうか?近年、その活動そのものが本質からずれてきているのではないだろうか。

    青年会議所は法の下の統治、自由経済、人権の尊重を念頭に世界平和の実現を目的に行動しなければならない。我々の住まう日本、世界は平和なったのであろうか?永続性のある豊かな社会になったのであろうか?先進国は総じて少子高齢化になり、人口減少社会へと進んでいる。一方、開発途上国はどうであろうか。我々は今一度青年会議所活動の原点に立ち返り、活動に対して真剣に取り組んでいるかを考え改める必要がある。大垣青年会議所の発展が見られないのは我々自身が青年会議所の目的や理念を理解せず、創造できずして一年一年を過ごしてきた結果ではないだろうか。私たちは今一度、青年会議所活動の原点に立ち返る必要がある。

    修練への挑戦

    我々は大垣青年会議所で一体何を学ぶのか、なぜ活動を行っているのか、今一度考え直し、自己を鍛え抜き地域のことを常日頃から考えることで、課題が見えてくる。一人で考えるのではなく会員同士で意見を出し合い切磋琢磨することで、良いアイデアが生まれ地域社会を変えることができる。地域社会の発展があって、はじめて企業の発展に繋がることを忘れてはいけない。

    近年在籍年数が3年未満の会員が半数を越え、様々な役職を経験する前に卒業してしまう現状がある。青年会議所は知識を学ぶだけではなく、学んだことを体験し、自分に落とし込むことで、自分の身となり人に魅力を伝えることができる。なぜこの日時なのか、なぜこの会場なのか、なぜこの講師なのか、一つ一つの理由をしっかりと考えたうえで委員会や理事会で意見を出し合い、事業構築することでより良い事業が生まれる。大垣青年会議所は時代が変わっても理念や目的が変わることはない。経験不足から目の前のことで精一杯となり、視野が狭くなっているのではないだろうか。

    青年会議所は、ひとづくりの団体である。そのためには、青年会議所の原点である規律の徹底と時間の有効活用を再認識し、円滑かつ的確な組織運営を行う必要がある。青年経済人として当たり前のことである時間の厳守をJC活動でも行っているか。時間の厳守や率先して行動することなどJAYCEEとして身に着け、常日頃から遵守することにより信頼に繋がり人徳を積むことができる。例会や事業に目的意識を持って参加をし、時間の浪費をせず成長の機会を自ら掴みとろう。小さな目標でも達成することの喜びを知り、自分を変えよう。自分が変わればまわりも変わり、必ず地域も変えることができる。
    「JAYCEE」としてリーダーの自覚を持ち行動しなければならない。

    西美濃地域の未来を創造

    2013年度の「私が夢みるまちづくりコンテスト」から生まれ、2014年度よりスタートした「ツール・ド・西美濃」は、西美濃の広域連携が実現し、西美濃地域の魅力を発信できている理想的な事業である。今年度8回目を迎えられるということは地域に必要とされているからだと考える。しかし、運営に関しては大垣青年会議所が主体となっており、未だ住民が主役のまちづくり、西美濃地域の広域連携という本来の目的を達成できていない部分もある。事業を大きくすることだけを考えるのではなく、どのような形だと「ツール・ド・西美濃」を存続できるかまたどのような形だと住民が主役のまちづくり、西美濃地域の広域連携に繋がるかを考え、2市9町と一緒に見直し「ツール・ド・西美濃」について、議論を重ねる必要がある。

    我々は西美濃地域で暮らし、どのくらいまちの事を知っているだろう。自分たちが住んでいるまちを知らずして課題を見つけることはできない。歴史を学ぶことで地域を知り、行政が行っていることを学ぶことで新たな視点を養うことができる。自分たちの自治区だけではなく西美濃地域が発展するように現状を理解し、危機感を抱き、西美濃地域の理想を描くことが必要だ。若年層が地域に興味を抱き未来を創造することで、政治参画の意識向上を図ることができる。投票行動が自分たちの未来を変えることができることを認識しなくてはいけない。

    我々は、社会開発の理念に基づいた「まちづくり」を行う必要がある。地域住民や行政と連携し、社会のリーダーとして団体を越えた異なる視点を養い、先駆けゆく団体として西美濃地域の未来を創造しなくてはならない。難しく考えるのではなく「より良く」するにはどうしたらよいか原点に返り、明るい豊かな未来を創造し西美濃地域を変えよう。

    歴史と伝統に感謝

    1952年2月、敗戦後の混乱期の中、35名の青年が手をたずさえ、地方経済の発展と日本経済の再建に寄与するために大垣青年会議所が設立された。西美濃地域をより良くするために、修練を積み、社会に奉仕し、友情を育んでこられた69年の歴史と伝統があるからこそ、今の大垣青年会議所があるのだと考える。2022年に大垣青年会議所は70周年を迎える。69年の歴史を学び、先輩諸兄の行ってきた活動や運動を再認識することで、大垣青年会議所の偉大さを感じることができる。先輩諸兄に敬意をもって感謝し、70周年の準備をする必要がある。

    2021年度に大垣市青年のつどい協議会は50期を迎える。加盟団体の減少により、水門川万灯流しや十万石ふるさとまつりへの関わり方も年々変わってきている。大垣市青年のつどい協議会の存続も危ぶまれている中、今だからこそ加盟団体がひとつになり、全力で西美濃地域を盛り上げようとする青年の熱意を持って行動しなくてはならない。大垣市青年のつどい協議会の本来の目的を再確認して活気を取り戻し西美濃地域の活性化に寄与しなければならない。歴史を積み重ねて今日まで繋いで頂いた先輩諸兄や、支えて頂いた地域の方々へ感謝し、時代に即した大垣青年会議所を築いていこう。

    多くの同志

    青年会議所は、岐阜ブロック協議会、東海地区協議会、日本青年会議所と全国各地、世界中で同じ志を持った仲間が「明るい豊かな社会の実現」に向けて活動を行っている。

    私たち大垣青年会議所の会員も、LOM内の事業のみに意識を向けずに、同志の行っている事業に共感し、自己の成長に繋げる必要がある。京都会議やサマーコンファレンス、全国大会など日本青年会議所が行っている事業、東海地区協議会が行っている事業、岐阜ブロック協議会が行っている事業も私たちと同じ40歳以下のメンバーが、同じ理念のもと活動を行っている。出向先で自己を磨き、修練を積み、事業構築を行っている会員に対しても敬意と感謝を持たなくてはいけない。同志の事業を全力で応援し、サポートすることで自己の成長に繋がる。

    大垣青年会議所は台湾の社團法人花蓮國際青年商會と姉妹締結をしており、1年に2度交流を行っている。花蓮に訪れると社團法人花蓮國際青年商會の会員が熱烈な歓迎をしてくれる。私たちは日本人としておもてなしの心を持ち熱烈な歓迎をしなくてはならない。社團法人花蓮國際青年商會との歴史を学び、LOMの事業紹介や交流を行うことで、理解と絆を深めて国境を越えた友情をさらに育まなくてはならない。社團法人花蓮國際青年商會と交流を行う事の意味や今の社会に感謝をして、自己の成長に繋げなくてはならない。

    多くの出会い

    我々はなぜ大垣青年会議所に所属しているのか。会員拡大に力を入れているにもかかわらず入会者よりも卒業生が多く、会員数の減少に歯止めをかけられない。原因は私たちを取り巻く経済環境だけではなく、大垣青年会議所の魅力を十分に伝えることができていないのかもしれない。

    「JCしかない時代」から「JCもある時代」、今は「JCが忘れられている時代」へと私たちを取り巻く環境は大きく変化をしている。

    会員拡大は組織の維持や発展のためだけに行うのではない。会員拡大こそがJC運動の根源である。大垣青年会議所の魅力を今一度全会員で理解し、会員同士や先輩諸兄、同じ西美濃地域の青年たちと積極的に交流を行うことによって大垣青年会議所が活性化し、まちの活性化にも繋がっていく。魅力を伝えるだけでは一方的に大垣青年会議所の説明となってしまい魅力を伝えることはできない。候補者の立場に立ち、候補者に対して大垣青年会議所を勧める理由は何なのか。熱意を持って話すことにより、入会者が増えると考える。自分がなぜ大垣青年会議所に入会したのか、なぜ会員を増やしたいのかを今一度考え、行動することにより全会員が熱意を持ち会員拡大を行うことができる。会員が多くなることで様々な価値観のもと議論を行い、成長の機会を増やすことができる。我々が活動を行っている目的と理念を伝え、青年会議所に入会をするとどのような成長ができるか、今の人生のままで良いかを問い、大垣青年会議所の魅力を伝えることで、会員拡大目標数値を越えた18名を獲得することができる。会員が一丸となり大垣青年会議所の魅力を伝播し、同志を拡大しよう。

    最後に

    私は自分を育ててくれた大垣青年会議所に感謝をしている。入会当時、例会や事業に参加をするたびに叱られてばかりだった。「なぜそこまでいわれなくてはいけないのか。」と反感を抱いていた。しかし、様々な例会や事業に参加をしていくうちに、叱られた意味を理解できるようになり、自分自身が至っていないことに気づかせてくれた。私は入会から、先輩の背中を一生懸命追いかけて様々なことを教えて頂いたことにとても感謝をしている。しかし、青年会議所は40歳で卒業を迎えなければならない、憧れだった先輩、牽引してくれた先輩が毎年卒業していき、私は寂しさを感じていたが、自分のやらなければいけない使命を忘れてしまっていた。

    私は2021年度今まで教えて頂き学んだことを伝える責務がある。大垣青年会議所の伝統を伝承し、大垣青年会議所をより良くするため邁進して参ります。

    後悔をしないように全力で青年会議所活動を行おう。自身が変わることでまわりも変えることができる。

    Mr.Children「終わりなき旅」に次のような1節があります。

    胸に抱え込んだ迷いがプラスの力に変わるように
    いつも今日だって僕らは動いてる
    嫌な事ばかりではないさ
    さあ次の扉をノックしよう
    もっと大きなはずの自分を探す終わりなき旅

    大垣青年会議所活動を楽しみ、西美濃地域をより良くするために、ただ前を向いて青年として、「真のJAYCEE」として世界平和実現のために、日本のために西美濃地域の明るい未来の創造を楽しみながら、「終わりなき旅」に出かけよう!

Copyright © Junior Chamber International Ogaki.
ページトップ